会長あいさつ

震災・災害シンポジウム2024
第11回 新潟県中越大震災シンポジウム

皆様におかれましては益々ご健勝、ご活躍のこととお慶び申し上げます。2024年は元旦に能登半島地震が発生し、その復旧・復興は現在も被災地で懸命に行われています。この能登半島地震は日本の災害対応についての課題を改めて私たち日本国民に突きつけたと言っても過言ではないと思われます。すなわち避難所における長期間の混み合った雑魚寝、トイレ不足、冷たい食事。そしてこうした避難生活が原因の災害関連死亡者数は2月14日の時点で307人となっており、直接死亡228人を大きく上回っています。我々はこれを「またか」と受け止めるだけで良いのでしょうか。幸い、石破政権は避難所環境を改善する指針を発表し、さらに防災庁設置を令和8年に目標を掲げて動き出しました。そこで今回のシンポジウムでは防災庁設置に期待されること、またそれと関連して大規模広域災害において、現行の基礎自治体中心の災害対応で良いのかなどについてイタリアからの報告も交えて考えたいと思います。さらに世界的に行われている災害対策のもう一つの方法である民間企業が国や自治体と共同で平時から準備し対応する方法について米国やカナダにおける実際を紹介し、さらに日本における民間企業と自治体による平時から準備する災害支援の試みについても最新動向をご報告いただく予定です。最後に米国トランプ政権は災害対応組織であるFEMAを解体しようとしており、その結果どのようなことが起きうるのかを元FEMAのボスナー氏からご報告いただく予定です。今後の日本の災害対応を改善していくためにぜひ皆様のご参加をお願いいたします。なお本シンポジウムの参加費は現在もまだ続けている能登半島地震被災地でのエコノミークラス症候群予防検診ならびに新潟県中越地震、中越沖地震被災地などでの検診費用とさせていただきたくよろしくご理解をお願いいたします。

令和7年2月吉日

榛沢和彦

エコノミークラス症候群予防・検診支援会会長

新潟大学医歯学総合研究科先進血管病・塞栓症治療・予防講座特任教授

内閣府防災庁設置準備室アドバイザー