会長あいさつ

震災・災害シンポジウム2023
第10回 新潟県中越大震災シンポジウム~分散備蓄と職能ボランティア~

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、ワクチン接種のおかげでようやくインフルエンザ並みの感染症扱いとなりました。しかし地球温暖化によると考えられる極端気候現象が世界中で発生し、国連事務総長は「地球沸騰の時代」とまで言っています。地球全体の気温上昇はある閾値を超えると元に戻らない可能性があり一刻も早く対応が必要です。しかし既に極端気候による自然災害は後を絶たず、今後もこれまでに予想もつかなかった災害が日本全国で起きる可能性があります。平成時代まではこれまでの後手後手の災害対策でも何とかなってきました。しかし、今後は予測のできない大災害が全国で同時多発する可能性があり、これに対応するためには我々が提唱している①支援物資を分散備蓄する、②災害職能支援ボランティアと派遣システムを地域単位で育成する、③避難所環境・運営を標準化するなどが必要です。

本シンポジウムではこれらをどうやって準備していくかを議論し、一刻も早く実現できるようにしたいと考えています。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

令和5年11月吉日

榛沢和彦

新潟大学医歯学総合研究科先進血管病・塞栓症治療・予防講座 特任教授

エコノミークラス症候群予防検診支援会 会長